トヨタ GR 86 & スバル BRZ 新型試乗!機敏なGR 86、タイムが速そうなBRZ。どっちを選ぶ?…諸星陽一 | Spyder7(スパイダーセブン)

トヨタ GR 86 & スバル BRZ 新型試乗!機敏なGR 86、タイムが速そうなBRZ。どっちを選ぶ?…諸星陽一

自動車 ニューモデル
トヨタ GR 86
トヨタ GR 86 全 15 枚 拡大写真
初代登場から約9年半、トヨタとスバルが共同で作り上げたFRスポーツ、『GR 86』とスバル『BRZ』についに試乗した。

まだ市販前ということもあり、試乗は千葉県にあるサーキットの「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」、試乗車はプロトタイプという形が取られた。まず、初代モデルを試乗し、その感触を体感。続いてGR 86、スバルBRZのMTとAT、つまり初代を含めて5種に試乗できるというなかなかぜいたくな試乗会に仕立てられていた。


なぜ、このような形が採られたかというと、今回はGR 86とスバルBRZがずいぶんと異なる味付けになったからだ。また、従来はトヨタ86であったモデルがGR 86となったところも今回のトピックである。初代の86&BRZはサスペンションのスプリングレートが違うくらいだったが、今回はエンジンの制御特性、サスペションのダンパー&スプリング特性、車体結合方法なども異なる方式を採用を採用、より両車の個性を打ち出す方向性となった。

◆エンジンセッティングの違い


エンジンの性能そのものは、初代の2リットルエンジンに比べると中間トルクもしっかりとあり、かなり運転しやすい印象。初代後期型MTのスペックは207ps/7000rpm、212Nm/6400~6800rpm(ATは200ps/7000rpm、205Nm/6400~6600rpm)であったが、新型は235ps/7000rpm、250Nm/3700rpmと最高出力で28馬力、最大トルクで15Nmの向上。とくに最大トルク発生回転数が3700回転と低くなっているところも扱いやすさをアップしている大きな要因だ。

前述のようにエンジンのセッティングがGR 86とスバルBRZでは異なる。具体的にはたとえばアクセル開度に対する加速度の発生のさせ方はGR 86とスバルBRZでは異なる。両車ともにアクセルを踏み込んだ際に加速度が遅れて発生する「なまし制御」という手法が採用されているが、GR 86はその領域を少なめにしてアクセル操作に対してキビキビとした動きを実現、一方のスバルBRZではアクセル操作に対して気持ちよく反応するがショックを出さないという方法を採った。


サーキットでの走りで使う部分は「なまし制御」がほとんどない領域となるので、その差はあまり感じることはなかったが、コーナー進入時にミスしてしまいエンジン回転がダウン、そこから再加速するときなどはGR 86の低速からしっかり加速度が得られるセッティングのほうが有利といえるだろう。

◆サーキットでの速さならBRZに軍配?

スバル BRZ 新型
ハンドリングに関しても同様でGR 86は機敏な動き、スバルBRZはゆったりとした動きが与えれている。スプリングレートはGR 86がスバルBRZに対してフロントが柔らかく、リヤが硬い。リヤのスタビライザーもGR 86が中実φ18なのに対し、スバルBRZは中空φ18.3となり、取り付け点も異なる。

GR 86はステアリングを切った瞬間からクルマがスッとインを向くがスバルBRZはその動きが少しゆっくりだ。GR 86が無理矢理向きを変えるのに対し、スバルBRZはクルマの動きが素直な印象。振り回して楽しいのはGR 86で間違いないだろうが、サーキットでのタイムとなると無駄な動きがないスバルBRZのほうが速いかも知れない(決まったコースを走るサーキットでは動きがゆっくりならば早めにステアリング操作を開始すればいい)という印象だった。ただ、競り合いになるとまた話は別だ。

◆MTでもアイサイトは欲しい

GR 86 とスバルBRZのAT車にのみ搭載されるアイサイト
この新型からGR 86、スバルBRZともにAT車にはアイサイトが装備された。これによりAT車には追従型のACCがついた。MT車はアイサイトは搭載されずに車速一定型の一般的なクルーズコントロールが装備された。モータースポーツを楽しむMTにはアイサイトを搭載しないという発想はわかるのだが、スバルは「2030年に死亡事故ゼロを目指す」という企業目標を打ち出している。アイサイトレスのクルマを販売するのはこの目標からは少しずれを感じずにはいられない。

アイサイトを「搭載しない」のではなく、サーキットやジムカーナ場などでは、アイサイトをカットできるようにするという方法はなかったのだろうか? そして、MT車のドライバーでも追従型ACCは是非ともほしい装備であることは明白。移動は楽々、クローズドコースにいけば運転を満喫…これが理想の姿だろう。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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《諸星陽一@レスポンス》

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