◆アバルトは1949年に誕生
フィアット車をチューニングしモータースポーツで活躍
アバルトは1949年、イタリア・トリノに設立された。フィアット車をベースに、チューニングを施した車両でラリーなどのモータースポーツに参戦し、その名を知らしめた。フィアットは1971年、アバルトを買収。現在では、アバルトはフィアットの高性能車部門に位置付けられる。
2019年は、アバルト誕生70周年にあたることから、アバルト124スパイダー、124GT、595の3車種に、70th Anniversaryが欧州で設定された。
◆マツダロードスターと兄弟
アバルト124の70周年記念車はオープンとクーペの2種類
アバルト124スパイダーは、フィアット『124スパイダー』をベースにしたアバルトの高性能版だ。マツダ『ロードスター』と基本設計を共通にしており、生産もマツダの工場で行われている。アバルト124スパイダーは2016年、日本市場にも導入された。
アバルト124スパイダーには、1.4リットル直列4気筒ガソリンターボ「マルチエア」エンジンを搭載する。アバルトのチューニングにより、最大出力は164hp、最大トルクは25.5kgmを獲得する。トランスミッションは、6速MTまたは6速ATを組み合わせた。エグゾーストシステムの「Record Monza」が、アバルトらしいサウンドを発する。0~100km/h加速は6.8秒、最高速は232km/hだ。

70周年記念車には、70th Anniversaryの専用エンブレムを装着する。ボディカラーは、「Turini 1975 ホワイト」、「Costa Brava 1972 レッド」、「San Marino 1972 ブラック」、「Hessen 1972 ブルー」、「Alpi Orientali 1974 グレー」の5色を用意した。アバルトが1970年代のラリーで勝利した場所と年号を、ボディカラーの名称に反映している
◆アバルト595の70周年記念車は4モデル
595コンペティツィオーネは180hp
アバルト595はフィアット『500』の高性能モデル、アバルト『500』をベースに、さらなるパフォーマンスを追求したモデルだ。70th Anniversaryは、標準モデル、「595ピスタ」、「595トゥーリズモ」、「595コンペティツィオーネ」の4グレードをラインナップする。
標準モデルのアバルト595には、1.4リットル直列4気筒ガソリンターボエンジン(最大出力145hp)を搭載。フロントに大型エアスクープを新採用し、エンジンの冷却能力を18%向上。リアバンパーも新デザインとなり、16インチのアルミホイールやレーシングタイプのダッシュボードを装備している。
595ピスタでは、1.4リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンが、最大出力160hpを発生。サーキット向けのコネクティビティ、「アバルト・テレメトリー」を採用。ラップタイムなどのデータを分析し、運転技術の向上に役立てることができる。

595コンペティツィオーネは、1.4リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンの最大出力を、180hpに引き上げたシリーズ最強グレード。0~100km/h加速は6.7秒で駆け抜ける。メカニカルセルフロックディファレンシャルの「アバルトDAM」を装備。これは、レーシングカー直系の『695ビポスト』のノウハウを応用したもので、サーキットなどで高いトラクション性能を発揮する。

いずれのモデルにも、70th Anniversaryの専用エンブレムを装着する。Appleの「Car Play」やグーグルの「Android Auto」に対応しており、インフォテインメントシステムの「Uconnect7」には、高解像度スクリーン、最新のナビゲーションシステムが採用されている。