ボルボ V60 新型試乗!過酷な冬の北海道 ボルボV60は何を魅せる…伊藤梓 | Spyder7(スパイダーセブン)

ボルボ V60 新型試乗!過酷な冬の北海道 ボルボV60は何を魅せる…伊藤梓

1月も後半に差し掛かった北海道。新千歳空港から外に出ると真っ白な息が視界を曇らせた。鼻の奥をツンとさせるような氷のにおいに「あぁ、北海道に来たんだなぁ」と実感する。

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【ボルボ V60 新型試乗】過酷な冬の北海道 ボルボV60は何を魅せる…伊藤梓
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◆快適なシートと洗練された音響空間が格別なドライブへと誘う

1月も後半に差し掛かった北海道。新千歳空港から外に出ると真っ白な息が視界を曇らせた。鼻の奥をツンとさせるような氷のにおいに「あぁ、北海道に来たんだなぁ」と実感する。

北海道をゆっくりドライブするのは初めて。用意された試乗車は、V60 T5 Inscription。2.0リッター直4ターボのガソリンエンジンを搭載し、最高出力254ps、最大トルク350Nmを発生する。トランスミッションは8速ATだ。今回ちょっと驚いたのは、前輪駆動でいわゆる“FF”モデルだったこと。雪国出身者としては、やはり雪道を走るなら四輪駆動というイメージが強いので、V60のFFがどこまで走れるかが楽しみでもある。


試乗車のV60を目の当たりにすると、洗練されたボルボの新デザインにバーチライトメタリックという淡い金色のようなボディカラーが、なんて似合うのだろうと思った。上品なだけではなくモダンな雰囲気を感じるV60は、女性にも人気だろうなと感じる。

室内に入ってみるとその思いはより強くなった。試乗車はホワイトで統一されており、室内はゆったりとした空間が広がり、ふんわりと包まれるようなあたたかみがある。そして、ボルボに乗って毎回感激するのは、シートがぴったりと体にフィットすること。柔らかすぎず硬すぎず、ずっと乗っていても疲れにくいので「デスク作業するときもこの椅子があったらいいのに」と思ってしまうほど。

そんなシートに体を預けて、早速ドライブへ!……とその前に、個人的にもうひとつやっておかなければいけないことが。オーディオを操作して、モードを「コンサート」に。すると室内に重厚で濃密な音楽が響き渡る。この「コンサート」モードはボルボの故郷、ヨーテボリ・コンサートホールの音響を再現しているのだそう。美しい音楽を聴きながら、北海道の雄大な大地をドライブ。なんて格別なひとときなのだろう。


◆行くあてなく走るドライブは、なぜか色々と気付かされる…

千歳空港から夕張方面へ向かい道東自動車道を走り出すと、道路には思ったよりもほとんど雪が積もっていなかった。高速道路を走っているとV60の良さがしっかりと伝わってくる。低速からでもどんどんトルクが湧いてくるので、高速への合流や追い越す時などにも余裕をもって運転できる。

また、「ボルボってこんなに直進性が良かったっけ?」と驚くほど、針路をとった方へぴったりとまっすぐに進んでくれる。北海道のようにひたすら高速道路を走る時にもとても良い相棒になりそうだ。

このV60には「FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシー」が付いており、サスペンション設定を変えることができる。道中はドライビングモードをほぼ「comfort」に。試乗車は大きめの19インチのタイヤを履いていた影響もあるのか、荒れた路面ではすこし硬く感じる場面もあったが、高速道路のようなところでは終始乗り心地はフラットで快適だった。


高速ドライブもいいけれど「せっかく北海道に来たのだから」ということで、高速道路を降りて雪が積もっている下道も走ってみることに。安平町追分あたりへ出てみると、見渡す限りの雪原が広がっていて思わず「うわぁ~」と声が出てしまった。いくら雪国出身とは言っても、こんなに広大な土地を雪だけが埋め尽くしているところは見たことがない。雪にほとんど埋もれた標識に「動物横断注意」という文字と一緒に牛の絵が描かれていた。まわりを見渡すと、そこここに牧場があって、牛が顔を覗かせていてほっこりする。


下道はさすがに高速道路のように除雪されているわけではなく、雪が道路を覆っていた。いよいよV60の本領発揮!と意気込むドライバーを尻目に、V60はこれまでと変わらず平然と雪の上を駆けて行く。FFでも雪の上を普通に走れてしまうんだなと感心。今回はさすがに新雪がどっさり積もった荒れた道などは試していないが、 雪国のように除雪がきちんと行き渡って圧雪されているような場所であれば、問題なく走ることができそうだ。

雪が積もった小道に入って撮影をしていると、編集者が「どこに置いても絵になるなぁ」と呟く。たしかに自然の中にV60を置くだけで、まるでカタログを撮影しているよう。スウェーデンで生まれたクルマということもあるのだろう、雪景色の中ではより凛として見えた。


外にいるとあっという間に体が凍りつきそうになる。撮影を終えて慌ててクルマに戻ると、ふんわりと包んでくれるような室内にホッとした。シートに腰掛けると、木でできた家の中で暖炉にあたっているシーンを自然と想像した。

「雪に強いクルマ」というと、機械的で無機質でゴツゴツしたクルマが多い気がするが、V60はそれとはまた違ったあたたかみと安心感がある。今回の試乗が1日の弾丸ツアーであることが途端に残念になった。もっと運転していたいなぁと素直に思ったからだ。

◆ボルボで走る安心感とあたたかみを感じてほしい

編集者が「北海道は回転寿司のクオリティが全然違う!」と熱弁をふるうので、お昼はお寿司にすることに。最初は短絡的に「トロ!ウニ!イクラ!」などと思っていたのだが、店員さんが今の時期はイカがおすすめだと言うので試してみると、モンゴウイカが甘くてトロリとしていて抜群に美味しいのなんの。味覚でも北海道を味わえて大満足。

午後は支笏湖の方へ行ってみようとクルマを走らせると急に雪が降ってきた。これまでは晴れていて運転も普通にできていたのだが、さすが北海道。一旦雪が降り始めると視界は真っ白になって、道路にもどんどんと雪が積もっていく。あたりはあっという間に雪景色になってしまったけれど、V60を運転する安心感は変わらない。支笏湖に向かうに連れて猛吹雪になってきて、クルマは大丈夫だけれど帰りの飛行機は飛ぶのかという不安がよぎる。


地図ではもう支笏湖は見える距離にあるはず……と目を凝らしてみると、すぐ真横に真っ黒な水面があることに気がついた。残念ながら湖の風景は9割方吹雪に隠されてしまっていたが、天気の良い時にはそれは美しい湖が広がっているのだそうだ。

支笏湖を離れると、すぐにボルボの広報さんから電話が。「当初予定していた便が吹雪で欠航しそうなので、今のうちに戻ってもらえれば早めの便に振り替えます」と。恐れていた不安が的中して、結局ここでタイムアップ。新千歳空港へ向けて引き返すことに。


新千歳空港に着いてクルマを降りるとV60の顔は真っ白に。吹雪の中を頑張ってくれたのが分かるようで思わずヨシヨシしたくなってしまった。

ボルボがスウェーデン生まれのクルマだと知らない人は意外にも多いのだそう。ぜひ雪国の人たちにも雪景色の中をボルボで走る安心感とあたたかみを感じてほしいなと思った。

まだまだV60で行く北海道の旅を満喫していたかったけれど、また次回、ボルボで北海道をゆっくりまわる楽しみをとっておこう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

伊藤 梓|ライター 編集者
クルマ好きが高じて、2014年にグラフィックデザイナーから異業種のカーグラフィック誌の編集者へと転身。2018年からはより広くクルマの魅力を伝えるために独立。自動車関係のライターほか、イラストレーターとしても活動中。

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《伊藤梓@レスポンス》

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